ロンドン観光のランドマーク:タダで楽しめる世界最高峰のコレクション
こんにちは。So Funny 世界史です!今回もイギリスの美術館についてご紹介!
ロンドンを訪れる旅行者の多くが必ず足を運ぶのが、トラファルガー広場にそびえ立つナショナル・ギャラリー(The National Gallery)です。
ここは、ゴッホやモネ、フェルメール、レオナルド・ダ・ヴィンチといった、誰もが知る西洋絵画の巨匠たちの作品を約2,300点も所蔵する「西洋美術の殿堂」です。
ナショナル・ギャラリーの最大の魅力は、その豪華なコレクションにもかかわらず、常設展の入場料が無料であること。
しかし、展示室が広大すぎるため、「どこから見たら良いか分からない」と戸惑う旅行者も少なくありません。
この記事では、時間のない旅行者のために、膨大な作品の中から「おすすめ傑作3選」を厳選し、それらを徹底解説します。ぜひご覧ください!
傑作1:フィンセント・ファン・ゴッホ『ひまわり』

🎨 炎のような情熱が宿るロンドンの象徴
ナショナル・ギャラリーで最も多くの人が足を止める作品の一つが、フィンセント・ファン・ゴッホの『ひまわり (Sunflowers)』です。
ゴッホが南フランスのアルルで、友人の画家ゴーギャンを迎えるために描いたとされる一連の「ひまわり」の連作のうちの一つであり、
「ロンドンのひまわり」として世界中から愛されています。
ゴッホの激しい情熱を体現するかのような、絵筆の荒々しいタッチと、燃えるような黄色とオレンジの色彩が特徴的です。
このひまわりは、単なる静物画ではなく、ゴッホが目指した「光と希望」の象徴であり、彼自身の激しくも短い生涯を映し出しているようにも見えます。
この作品の前では、ゴッホがどれほどの情熱をキャンバスに注ぎ込んだのか、その凄まじいエネルギーを肌で感じることができるでしょう。
ゴッホについてのエピソード
ゴッホについてのエピソードをいくつご紹介。知っている人はスキップしてもらって大丈夫です!
1. 『ひまわり』は歓迎のシンボルだった
ゴッホがアルルに移住した際、彼は共同で暮らす「黄色い家」をひまわりでいっぱいにすることを夢見ていました。
特に、彼が唯一認めた友人の画家、ポール・ゴーギャンをパリから迎えるために、
友情と歓迎の意を込めて集中的に『ひまわり』の連作を描きました。
2. 弟テオとの絶対的な絆
ゴッホは生涯を通じて、画商をしていた弟のテオからの金銭的・精神的な援助に完全に依存していました。
ゴッホが描いた膨大な量の手紙のほとんどはテオに宛てたものです。
彼の作品への情熱や苦悩、日々の生活の全てがテオに支えられていました。
3.耳きり事件と ゴッホの死亡
『ひまわり』が描かれた直後、ゴッホの人生は悲劇的な転換期を迎えます。
親友ゴーギャンとの共同生活が破綻し、彼は精神的な錯乱状態の中で、有名な「耳切り事件」を引き起こしました。
彼の燃えるような色彩は、希望だけでなく、彼の内に秘めた狂気や苦悩と隣り合わせであったことを感じさせます。
そして、『ひまわり』を描いた数年後の1890年、麦畑でピストルで自らを撃ち、その傷がもとで亡くなりました。
この一件は長らく「芸術家の自殺」として語られてきましたが、近年では、地元の不良少年による誤射や他殺の可能性も指摘され、
麦畑で死んではおらず、撃った、もしくは撃たれた後自ら病院へ歩いて帰り、テオに看取られながら2日後に死んだとも言われています。
彼の死の真相はいまだ謎に包まれています。
🖼️ 傑作2:ヤン・ファン・エイク『アルノルフィーニ夫妻の肖像』

🕵️ 鏡と署名に隠された、謎だらけの結婚の証
ナショナル・ギャラリーの初期フランドル絵画のセクションで、多くの人が足を止めるのが、
ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻の肖像 (The Arnolfini Portrait)』です。
1434年頃に描かれたこの作品は、豊かな商人ジョヴァンニ・アルノルフィーニ夫妻の結婚を記念したものとされていますが、
その静謐な画面には、美術史家たちを悩ませてきた多くの謎と暗号が隠されています。
この絵の魅力は、ファン・エイクの驚くほど精緻な筆致にあります。
特に、画面中央の凸面鏡をご覧ください。
鏡の中には、部屋全体と、夫妻の向こう側に立っている画家自身を含む二人の人物が描き込まれています。
さらに、鏡の上には誇らしげに「ヤン・ファン・エイクここにありき 1434」という
画家の署名が書き込まれており、画家がこの結婚の証人であったことを示唆しています。
🕵️ アルノルフィーニ夫妻の肖像:謎と学説のエピソード
1. 妊娠しているのか?という永遠の謎
画面に描かれている女性の服が非常にボリュームがあり、お腹が膨らんでいるように見えるため、「女性は妊娠している」という説が長年信じられてきました。
しかし、これは当時のブルゴーニュ地方の裕福な女性が着用していたファッションであり、
布地の豊かさや格式を示すものと考えられています。
妊娠ではなく、多産への願いを象徴しているという説が有力です。
2. 契約書代わりに描かれた「署名と鏡」
画面上部、鏡の上に大きくラテン語で描かれた
「Johannes de eyck fuit hic 1434 (ヤン・ファン・エイク ここにありき 1434)」という署名は、まるで公証人のサインのようです。
この作品は、単なる肖像画ではなく、結婚や財産に関する法的契約が成立したことを証明する「証書」としての役割を果たしていたと考えられています。
3. 鏡の中の「二人の証人」
画面中央の凸面鏡の中には、部屋の奥の開いたドアから入ってきた二人の人物が映り込んでいます。
画家ファン・エイク自身と、もう一人の人物が結婚の儀式を見届けた「証人」であり、
これが「ヤン・ファン・エイクここにありき」という署名とリンクしている、という説が定着しています。
傑作3:ヨハネス・フェルメール『ヴァージナルの前に座る若い女性』

✨ 奇跡の光が照らす、静寂な一瞬
ナショナル・ギャラリーのコレクションは、ヨハネス・フェルメールの貴重な作品を収蔵していることでも知られています。
その一つが、『ヴァージナルの前に座る若い女性 (A Young Woman Seated at a Virginal)』です。
フェルメールは生涯に描いた作品がわずか30数点しかない**「寡作の画家」**として知られており、彼の作品に出会えること自体が奇跡的な体験です。
この絵の最大の魅力は、彼の代名詞である「光の表現」にあります。
窓から差し込む光が、部屋の静寂な空気と、楽器を奏でる女性の柔らかな肌、そして壁の模様を優しく照らしています。
画面全体に漂う静けさと、時間が止まったかのような神秘的な雰囲気は、フェルメールにしか描けない世界です。
ナショナル・ギャラリーを訪れた際は、ぜひこの静寂な空間で、奇跡の光が織りなすフェルメールの傑作をじっくりと堪能してください。
1. ラピスラズリを使った「フェルメール・ブルー」の贅沢
フェルメールの絵を象徴する鮮やかな青色は、
当時、金よりも高価と言われた宝石ラピスラズリを砕いて作った「ウルトラマリン」という絵の具によるものです。
彼は非常に貧しかった時期もありましたが、この高価な絵の具を惜しみなく使い続けました。
この贅沢なこだわりが、数百年経っても色あせない独特の輝きを生んでいます。
2. 最新の光学機器を使っていた!?「カメラ・オブスクラ説」
彼の絵があまりにも写真のように正確な光の反射やボケを再現しているため、
当時発明されたばかりの「カメラ・オブスクラ(カメラの原型となる暗箱)」を使って描いていたという説が有力です。
彼は単に目で見たものを描くだけでなく、科学的なレンズの仕組みを利用して、
あの幻想的な光を表現していたのかもしれません。
3.11人の子供を抱えた「大家族の父」
フェルメールの絵はどれも静寂に包まれ、時間が止まったかのようですが、
実際の彼の家は11人もの子供がいる、とても賑やか(というより騒がしい)家庭でした。
彼はその喧騒の中で、あえて自分の理想とする「完璧な静寂」をキャンバスの中に作り出していたのかもしれません。
まとめ
いかがでしょうか。ナショナルギャラリーにはこの記事で紹介しきれな程の多くの名画があります。
ぜひ一度足を運んでみて、名画の中で一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
またナショナルギャラリーを見に行くそんなあなたに、次の一歩として強くおすすめしたい場所があります。
それは、喧騒を離れた一角にひっそりと佇む「ウォレス・コレクション」です。
今回ご紹介したナショナル・ギャラリーが「西洋美術の殿堂」なら、ウォレス・コレクションは「貴族の邸宅に招かれたような贅沢な空間」。
そこでは、フラゴナールの『ぶらんこ』をはじめとするロココ美術の傑作たちが、
当時の豪華な家具や甲冑とともに、あなたを静かに待っています。
ナショナル・ギャラリーから少し足を延ばすだけで辿り着ける、知る人ぞ知る「隠れた宝石」
。その優雅な空間をより楽しむための見どころは、ぜひこちらの記事でチェックしてみてください。
[あわせて読みたい:ロンドンの隠れた宝石!ウォレス・コレクションで見るべき3つの傑作]
「ロンドンの隠れた宝石!ウォレス・コレクションの魅力と絶対見ておくべき3つの作品」 https://so-funny-sekaishi.com/%e3%80%8c%e3%83%ad%e3%83%b3%e3%83%89%e3%83%b3%e3%81%ae%e9%9a%a0%e3%82%8c%e3%81%9f%e5%ae%9d%e7%9f%b3%ef%bc%81%e3%82%a6%e3%82%a9%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%82%b3%e3%83%ac%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%a7/
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定番ですが、ナショナル・ギャラリーの開館時間や最新の予約状況を確認するために必須です。
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図解が多く、ゴッホやフェルメールの時代背景をサクッと予習したい初心者に最適です。

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